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Formnext Asia Shenzhen開催直前、主催者独占インタビュー 2/2 技術・トレンド編

7月 29, 2026

Formnext Asia Shenzhen 2026: An Exclusive Interview with the Organiser Ahead of the Show (Part 2) | Image: AM Insight Asia

ヒューマノイドロボットからコンシューマーグレードAMまで、中国AM業界の今とこれから

前編では、Formnext Asia Shenzhenの位置づけと、その舞台となるグレーターベイエリアの産業基盤について、主催者であるGuangzhou Guangya Messe Frankfurt Co Ltd 副総経理 Louis Leung氏に話を聞いた。後編となる本稿では、引き続きLouis氏に、今回の展示会で新たに打ち出される技術トレンドや企画、そして中国AM業界全体の現在地と今後の展望について伺った。なお、以下の回答部分は、恣意的な解釈を加えることなく、Louis氏の言葉をそのまま掲載している。

Q. 2026年に特に注目してほしい具体的なテーマ、技術領域、新たな取り組みはありますか。

今年は取り上げたいことが数多くあり、一つ二つに絞るのは容易ではありませんが、確実に注目していただきたい新機軸がいくつかあります。

一つは熱管理・液冷です。この分野では市場での活動が大きく活発化しており、Formnext Asia Shenzhen 2026では新たにこのテーマのフォーラムを立ち上げます。これは、AI、データセンター、ハイパフォーマンス・コンピューティングへの投資額が現在増加していることが背景にあります。これらの業界において、AMはより効率的な熱管理部品を製造する手段として有望視されています。深セン周辺には関連するユーザーとサプライヤーも多く存在するため、プログラムに組み込むのは自然な流れでした。

もう一つ、より詳しく取り上げるのが3Dプリント靴です。履物が興味深いのは、来場者にとってアプリケーションとして非常に理解しやすい一方、生産の観点からは依然として非常に高い難易度を伴うという点です。快適性、耐久性、素材性能、一貫性のすべてが重要になります。そのため今年は、新しい靴フォーラムと、その分野の革新を表彰する初の「International 3D Printing Footwear Design Awards」を立ち上げ、デザイナー、ブランド、機器メーカー、材料サプライヤーを一つの場に集めて議論を行います。

最後に、Formnext Asia Shenzhen Maker Dayも新たに導入します。メイカーコミュニティはAM業界全体の重要な一部ですが、産業用AMをめぐる主要な議論とは切り離されて扱われることがあります。実際には、メイカーが直面する素材選択、製品の商業化、3Dモデリングといった課題の多くは、製品開発者、プリントファーム、そして産業用AMにより一般的に関連づけられるユーザーにも共通するものです。

デスクトップ3Dプリンティングのハードウェア、材料、ツールを手がける企業の多くが大湾区に拠点を置いていることを踏まえると、Maker Dayはプログラムとしても非常に実用的な追加要素です。このコミュニティをFormnext Asia Shenzhenにより明確に取り込み、アジアにおける産業用AMをめぐるより広い議論とつなげる手段となります。

Q. 今年のカンファレンス・フォーラムプログラムの中で、特に期待している要素を一つ二つ挙げていただけますか。含めるきっかけとなったのは何ですか。

もう一つ挙げたいのが、China 3D Print Farm and Consumer-Grade AM Ecosystem Conferenceです。これは、私たちにとって非常に急速に発展してきた分野です。

2024年に初めて開催したときは、より具体的にプリントファーム、すなわち複数台の機器の管理、生産量の向上、コストと品質の管理に焦点を当てていました。出展者からのフィードバック、来場者からの問い合わせ、市場で見えていた動きから、これが成長分野であることは分かっていましたが、それでも反響は予想以上でした。フォーラム会場はすぐに満席になり、通路や周囲に立ち見の来場者があふれるほどでした。非常に人気のある新企画でした。

しかしその後、市場はかなり大きく発展しました。プリントファームに関する課題は依然重要ですが、中国のデスクトップAMは今、AIデザインツールや材料から、オンライン販売チャネル、印刷製品ビジネス、越境ECまで、はるかに幅広い活動を含むようになっています。このサプライチェーンに関わる企業の多くがすでにこの大湾区に拠点を置いていることを踏まえ、今年はこのカンファレンスをファーム運営の範囲を超えて、より広いコンシューマーグレードのエコシステムをカバーする形に拡大するのが理にかなっていると判断しました。

Q. 材料出展者カテゴリーは2025年に76%成長しました。この拡大を牽引しているのは何ですか。2026年も材料セグメントは優先分野であり続けるとお考えですか。

金属、ポリマー、セラミックス、複合材料は、本展にとっても業界全体にとっても、引き続き重要な成長分野です。今年も同様のパターンが見られ、産業用グレードの材料出展者の参加は2025年比ですでに40%近く増加しています。

しかし、今年の新規出展者がどこから来ているかを見ると、かなりの割合がコンシューマーグレードの材料・消耗品側の市場から来ています。実際、今年出展する消耗品出展者の60%以上が初参加です。主催者としては、これは非常に示唆的です。新しいサプライヤー層が、コンシューマーグレード市場での早期のポジションを確立する手段としてFormnext Asia Shenzhenに注目していることを示しています。

これにより、数年前には予想していなかったような会話も生まれています。産業用トレードフェアを主に専門としてきた展示会主催者として、これらの出展者が私たちに何を求めているのか、このよりコンシューマー志向の業界セグメントにどうすればより良く応えられるのかを、少し違った視点から考える必要が出てきました。そのため今年は、会場内購入を促す特別オファーなどの活動とともに、「3D Printing Shopping Festival」を本展の追加セグメントとして導入し、来場者がこれらの出展者や製品とより多くの時間を過ごすきっかけを提供します。

Q. 国際来場者数が連続して倍増しています。Formnext Asia Shenzhenは、アジア域外、特に欧州・米国・日本からの参加者にどのような価値を提供していますか。

はい、しかも伸びているのは国際来場者の数だけではありません。参加する国・地域の幅も大きく広がっています。2025年の来場者は世界64の国・地域から集まりました。日本は最大の国際来場者市場であり、欧州と米国からの伸びも続いています。

多くの国際来場者は、自国市場にいる中国のAM企業と直接時間を過ごすために来場しています。すでに主要企業名を知っていたり、フランクフルトのFormnextで面識があったりする場合もありますが、深センではより詳しく、製品を比較し、技術チームと面会し、サービス・トレーニング・メンテナンス・材料・協業について、より踏み込んだ会話をすることができます。これらは、離れた場所からでは実現しにくい会話です。

海外来場者にとっては、この市場で今何が起きているかを直接見ること自体にも大きな価値があると思います。どの技術・アプリケーションが注目を集めているか、中国企業が海外市場向けにどう準備を進めているかを見ることができます。また、まだ国際展開の初期段階にあり、中国国外ではあまり知られていない企業と出会うこともできます。

2026年に向けては、海外からの参加をより価値あるものにする方法を引き続き検討しています。その一環として、フリンジプログラムの一部セッションでのバイリンガル対応をさらに拡充し、より多くの来場者が技術的・応用的な議論を追いやすくします。

また、国際的なAMディストリビューター、ディーラー、サービスプロバイダー向けの新しい形式として「Global AM Channel Partner and Dealer Matching Meeting」も新設し、国際来場者とパートナーネットワークの海外展開を目指す中国企業とのつながりを、より効果的に後押しします。

Q. 展示会主催者という立場から見て、現在の中国AM業界をどう特徴づけますか。技術、市場採用、アプリケーションにおいて際立った変化はありますか。

市場は非常に活発な成長段階にあり、数年前と比べてグローバルなAMの議論の中でずっと存在感を増していると特徴づけられます。業界アナリストは今、中国をグローバルAM成長の主要な牽引役として定期的に取り上げるようになっており、これは本展を主催する立場からも、出展者需要、来場者の関心、そして海外市場から中国のAM企業に向けられる注目の度合いを通じて、はっきりと感じています。

私たちが注目している分野の一つがヒューマノイドロボティクス向けAMです。AMがもたらす設計の自由度は、この分野で非常に興味深いアプリケーションを開いており、深センは中国のヒューマノイドロボット企業トップ10のうち複数がこの都市に拠点を置く、強力なクラスターを形成しています。この分野には今、業界内で多くの議論があるため、2026年のフリンジプログラムにもこのテーマを新たに取り入れます。応用分野として、特に華南地域では今後数年で大きな成長を見せると見込んでいます。

もう一つ対応している大きな動きが、コンシューマーグレード3Dプリンティングの成長で、これは業界全体のより大きな変化の一部だと捉えています。過去10年の中国を振り返ると、AMは研究開発から応用へ、そして今は幅広い普及へと非常に速い進展を遂げてきました。長らく、議論を主導していたのは航空宇宙・防衛といった高度で技術的要求の厳しいセクターでした。しかし技術が本当に成熟するためには、専門的な現場を超えて、より幅広い商業・家庭用途にまで広がるほどシンプルで実用的、かつアクセスしやすいものにならなければなりません。

まさにそれが、今のコンシューマーグレード3Dプリンティングで起きていることです。技術的なハードルは下がり、材料の選択肢は多様化し、コストパフォーマンスも改善しています。その結果、プリントファーム、分散型プリンティング、コンシューマー製品ビジネスが、小規模製造業者やデザインスタジオからEC事業者、プリントファーム運営者まで、幅広く、多くの場合まったく新しい層の事業ユーザーをAMに呼び込んでいます。

これは私たちの深センという立ち位置から非常にはっきりと見えている動きです。深センは世界のコンシューマーグレード3Dプリンター製造において最も重要な地域の一つとなっており、地場企業は世界のエントリーレベル・デスクトップ3Dプリンター市場の大部分を占め、世界のデスクトップセグメントの70%以上を占める、より広範な中国のサプライヤーエコシステムの一部を成しています。これは、コンシューマーグレードAMがここ中国でより広く普及した新たな段階に入ったことの表れだと私たちは捉えており、だからこそ今、プリントファーム運営、材料、アプリケーション、ビジネスモデルをめぐる新しいトピックを、より本格的に本展に取り込んでいるのです。

Q. AMIAの読者には、アジアをはじめとするAM・製造業の専門家が含まれています。Formnext Asia Shenzhen 2026への参加や出展を検討している国際的な読者に、どのようなメッセージを伝えたいですか。

ぜひ自分の目で見に来てほしい、と伝えたいです。もしあなたが積層造形に携わっている、あるいはこの技術に何ができるかを模索している業界、3C、新エネルギー、ロボティクス、自動車、その他どの製造分野であっても、深センで数日過ごす価値は十分にあります。

新しい技術パートナーを探しているにせよ、市場についての新たな知見を求めているにせよ、あるいはこの地域の市場が向かう先をより深く理解したいだけであっても、Formnext Asia Shenzhenで過ごす数日は、時間を割くだけの価値があると信じています。

AM Insight Asiaコミュニティの皆様を、8月26日〜28日、深セン世界展覧会・コンベンションセンター(Shenzhen World Exhibition & Convention Center)にてお迎えできることを楽しみにしています。

AM Insight Asia の視点

後編で語られた内容のうち、最も注目すべきは、コンシューマーグレードAMの拡大が業界の力学そのものを変えつつあるという点だ。深セン発の企業が世界のエントリーレベル・デスクトップ3Dプリンター市場の94%を占めるとLouis氏は前編で語った。さらに氏によれば、より広い中国のサプライヤーエコシステム全体で見ると、グローバルな「デスクトップセグメント」全体の70%以上を占めるという。この70%は、エントリーレベルという限定的な価格帯だけでなく、より広い価格帯・製品カテゴリーを含めたデスクトップ機全体を指しているとみられ、94%という数字とは母集団が異なる。いずれにせよ、この規模は単なる出荷台数の話にとどまらない。長らく航空宇宙や防衛といった高付加価値・少量生産のセクターが主導してきたAM業界の重心が、量産・低価格帯のプレイヤーへと広がり始めている兆しとみる。

今年の新規出展者の6割以上が消耗品・コンシューマー材料の分野から来ているというLouis氏の説明も、この流れを裏づける。産業用グレードを主戦場としてきた既存の材料サプライヤーにとって、この新規参入の波は無視できない変化だろう。

一方で、ヒューマノイドロボティクスのような高度な応用分野も同時に伸びている。この「裾野の拡大」と「先端応用の深化」が同時並行で進んでいることこそ、今の中国AM市場の特徴だ。技術が成熟するとは、特殊な現場のものだったAMが日常の商業・家庭用途にまで広がり、同時により高度な領域でも新しい可能性を切り拓いていく、その両方が同時に起きることなのだと、この展示会のプログラム自体が物語っている。

なお、Formnext Asia Shenzhenの位置づけや、その舞台となるグレーターベイエリアの産業基盤については、前編で詳しく取り上げている。

Formnext Asia Shenzhen開催直前、主催者独占インタビュー 1/2 市場・戦略編

謝辞

展示会の開催を目前に控えたお忙しい中、11の質問すべてに丁寧にお答えくださったLouis Leung氏に、心から感謝したい。そして今回のインタビューが実現したのは、Messe Frankfurt (HK) LtdのSam McCadden氏とチームの皆さんの多大な支援があったからこそだ。いつも本当にありがとう、Samとチームの皆さん。